チャレンジ雑記

60代最初の挑戦はマラソンだ。

人生の中で年代というものをさほど意識してこなかった。

20代になったから、これからは大人の仲間入り、30代は社会人として会社で責任ある立場に、など各年代の時に多少は意識をしたが、過ぎてしまえば普段とさほど変わらない意識にもどっていたような気がする。

40代、50代と過ぎ、いつの間にか60代になった。しかしいざ60代になってみると、今までと違う景色が見え始めている。その変化は「肉体的」なものと「精神的」なもの。肉体的には60を過ぎて「老い」を感じるようになった。

人によっては40代で感じたりと、それぞれ違うと思うが、ボクの場合は60過ぎで「老い」というものを大きく感じるようになった。

そしてもうひとつ「精神的」な変化だ。精神的な変化の要素はいろいろあるが、それを大きなひとくくりの考え方にまとめると「残りの人生をどういきるか」という言葉になると思う。

そのような考えは、40代、50代の頃、多少思うこともあったが、現実的にはとらえていなかった。いずれ年を重ねたら、そういう考えを現実的にとらえるようになるだろうと、ずっとずっと将来のことと思っていた。「残りの人生をどう生きるか」、それを現実的にとらえるようになった60を過ぎた今、改めて人生をどう生きるかを考え始めた。

残りの人生どう生きるか

人生をどう生きるか、今まで真剣に考えるというより、自己啓発の本を読んだり、若い頃酒に酔って友人と「人生とはこうあるべきだ」と討論したことはあった。

しかし今まで人生の生き方で、どこかひとつ筋の通った生き方をしてきたかというと、そんなことはなかった。時代とともに変わり、環境に合わせて変えてきたような気がする。

そして今、新たな気持ちでどう生きるかを考えている。さらに「残りの」のひとことが加わった「人生」の生き方となると、これまたやっかいに思えてきた。

本来人生とのは限られたものである。今や人生100年時代というが、ボクの場合まぁそこまで生きるは無理かもしれないが、どちらにしても必ず死が待っている。誰もがわかっていることだ。

自分が20代、30代のころ、人生をどう生きるかを考えたとき、将来に向けてどう生きるかと、死というものがあるのを知りながら、しかし現実的にはあまり考えになかった。

40代、50代と年を重ねるとともに、多少なりとも死というのを意識し始めたが、それでもまだ、現実的なこととして受け入れてなかったような気がする。

そして今60代になってこれから先の死というのをみつめながら「残りの人生」という考えが現実的なこととして受け入れるようになった。

そこで残りの人生だ。人生をどう生きるかと、人生の長さを漠然ととらえていたのが、残りの人生となると、限定的であり、残りが希少価値のように思えてきた。

今までの人生も、これからの人生も、どちらもかわりはない。しかし限定的にとらえることによって人生に対する考え方も変わってきた。

精一杯生きる

 スタートがあるからにはゴールがある。今までの自分の人生を振り返ってみると、スタートしたはいいが、ゴール地点の確認もしないで、ただ単に走ってきた。歩いてた時もあったし、しばらく立ち止まってしまった時もあった。ただただ闇雲に進んできた感が強い。

そして今まで見えていなかったゴールが、まだはっきり見ることはできないが、うっすらとこの先にゴール地点を感じることができるようになった所まで来たようだ。この地点に経って再び何を考えるか。

60を過ぎるとやはり気力もうすれ、気持ちもネガティブな考えがあった。

過去自分がどれだけ一生懸命に生きてきたか。やれることはやれるだけやってきたか。その答えには疑問符がつく。

いろいろな考えも含め最終的に至った結論、「まずは精一杯生きてみようか」ということだ。ありふれた言葉になるが、残りの人生は希少価値と思えるなら、せめて精一杯いきて行こうと決めた。

フルマラソンに挑戦

30代の中ごろ趣味でランニングを始めた。最初は三日坊主に終わることもあったが、その後徐々に走ることが楽しくなり、週に4~5日と習慣になっていった。10kmと距離もある程度走れるようになると、市民大会のロードレースに参加するようになった。

1年、2年とランニングするようになると、自然と走ることができる距離も伸びてくる。10kmではもの足らず、ランナーとしてはあこがれの42.195km、フルマラソンに挑戦したくなる。

30代後半、念願のフルマラソンの大会に出場し、見事完走することができた。その後も1年に1~2回はフルマラソンの大会に参加し、すべて完走した。

最後にフルマラソンの大会に参加したのは2013年になる。

その後は大会に参加しなくなった。ランニングはやめたわけではなく、その後も続けて走っている。途中1年とか走らなかった時期もあるが、今でもランニングを趣味として走り続けている。30年近くランニングを趣味として続けている。

そして今回十数年ぶりになるのだろうか、久しぶりにフルマラソンにチャレンジしてみようという気持ちが芽生えはじめた。

残りの人生、「まずは精一杯生きてみようか」と、60代という人生の節目にさしかかり、少し前向きに考え始めた。60代最初の挑戦がマラソン完走だ。

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